2018年7月4日〜7日、アメリカ・ロサンゼルスにて開催されたAnime Expo 2018にて、毎年熱狂的なファンが集結するViz Media主催の「ジョジョの奇妙な冒険」パネル。今年もイベント最大規模のホールに3,400人の北米のジョジョファンが集結した。
ステージの進行を務めるのは、「ジョジョの奇妙な冒険」原作コミックスの英語版の元担当編集者、Viz Mediaのウリアン・ブラウン氏と現担当編集で同じくViz Mediaのデイビッド・ブラザー氏の2人。
まずは、国立新美術館(東京)での「荒木飛呂彦原画展 JOJO 冒険の波紋」開催に向けて準備中の、原作者・荒木飛呂彦氏からのビデオメッセージの上映後、北米で展開されているグッズや購入特典の紹介が行われた。続いて、実写劇場版映画「JOJO Live Actionダイヤモンドは砕けない第1章」の北米公開決定を発表すると会場から大きな歓声に沸いた。
そしてゲストコーナーへ。会場が温まったところで、日本から、これまでのアニメシリーズで監督を務め最新作「黄金の風」では総監督に就任した津田尚克氏がゲストとして登場。
登壇した津田氏は、「いっぱいの人にびっくりしています。めちゃめちゃ嬉しい気持ちでいっぱいです。今日は一緒に楽しめたらと思っているので、よろしくおねがいします」と会場を埋め尽くすファンの姿に圧倒された様子で挨拶をした。
ここからは津田氏へのインタビューコーナー。
ー 監督としての典型的な1日について教えてください。具体的にどのような事をされていますか?
朝、寝て、昼に起きて、仕事をして、帰って寝ています。その空いた時間にアニメを見たりしています。
ー ジョジョのオープニングとエンディングはどちらも非常に豪華ですが、このような強烈な印象に仕上げた背景について教えていただけますか
オープニングは“予感”、エンディングは“余韻”だと思っているので、オープニングを観て「始まるぜ!」、エンディングでは「終わっちゃった…」という気持ちになるように心がけています。
ー 一番好きなスタンドはどれですか?また、アニメを制作する際に能力を使えるとしたらどのスタンドを使いますか?
好きなスタンドについては、第5部のゴールド・エクスペリエンス。使いたいスタンドは、絵コンテを描くのに役立つヘブンズドアー。
ー 音楽に関する“作中で使用する音楽は荒木飛呂彦氏と相談しているのですか?
特にエンディングは、荒木先生が執筆する際に聞いていた洋楽の中から選ばれています。
更に、“好きな曲は?”とウリアン氏が客席に問いかけると様々な曲名を上がったが、圧倒的に多かったのは第1部・第2部のエンディングとして起用され、リバイバルヒットとなったyesの「Roundabout」。津田氏も「日本には、ジョジョが放送されるまで「Roundabout」を知らない人も多くいました。知っている人もなんでいま「Roundabout」なんだろうと思ったと思います」と当時を振り返った。ちなみにお気に入りの曲を聞かれるとPat Metheny Groupの「Last Train Home」を挙げて「泣けるよね」とコメントした。
続いては、アニメの表現方法に関する質問。
ー 漫画のようなサウンドエフェクトが特徴的ですが、どのようにしてこのアイデアが生まれたのでしょうか?
漫画の表現をそのまま持ってきました。普通のアニメなら音がなっているのになんで字が出るんだよって言われてしまいますが、この作品は、音を文字で描くことにより完成されている作品なので、アニメで原作を表現しようと思ったら欠かすことはできませんでした。
津田氏へのインタビューコーナーの最後に、第5部「黄金の風」について「これまでのジョジョの中でも重いテーマになっています。一緒に走り抜けにもらえると嬉しいです」とコメントすると、ウリアン氏から、Viz Mediaから第5部「黄金の風」の北米での配信決定が発表された。
津田氏へのインタビューコーナーの後は、Dio役のパトリック氏、アブドゥル役クリストファー氏、東方仗助役ビリー氏の3人の北米版の声優も加わってトークと、一般参加者によるコスプレコンテストが行われる等のコーナーが続いた。
そしてお待ちかねの「ジョジョの奇妙な冒険黄金の風」の第1話のスクリーニングへ。
大画面に映像が映し出されると会場が大歓声に包まれ、国外ではフランスでのインターナショナルプレミアに続くUSプレミアが始まった。アニメのキャラクターの一挙手一投足に歓声や悲鳴にも近い声を上げる北米のファンたち。上映が終わると大きな拍手が送られて、Viz Media「ジョジョの奇妙な冒険」パネル&USプレミアは、興奮の余韻を残し大盛況のうちに終了となった。
TVアニメ『ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風』
2018年10月より放送開始予定!
STAFF
原作=荒木飛呂彦(集英社ジャンプ コミックス刊)
総監督=津田尚克
監督=木村泰大・髙橋秀弥
シリーズ構成=小林靖子
キャラクターデザイン=岸田隆宏
総作画監督=石本峻一
スタンドデザイン・アクション作画監督=片山貴仁
プロップデザイン=宝谷幸稔
美術設定=滝れーき・長澤順子・青木 薫
色彩設計=佐藤裕子
美術監督=吉原俊一郎・加藤 恵
撮影監督=山田和弘
編集=廣瀬清志
音響監督=岩浪美和
音楽=菅野祐悟
アニメーション制作=david production
CAST
ジョルノ・ジョバァーナ:小野賢章
ブローノ・ブチャラティ:中村悠一
レオーネ・アバッキオ:諏訪部順一
グイード・ミスタ:鳥海浩輔
ナランチャ・ギルガ:山下大輝
パンナコッタ・フーゴ:榎木淳弥
公式サイト:http://www.jojo-animation.com
公式Twitter:@anime_jojo
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会