『アニメで知る中国』ラングリッサー モバイル「Google Playベストオブ2019」受賞記念配信!

『アニメで知る中国』へようこそ!ミミム(北京MYC)です。

実は11月27日でアニメを知る中国もおかげさまでなんとか1周年、迎えることができました。ありがとうございます。1周年ということで、以前の動画を見直してみたらですね、その恐ろしいクオリティーに私も恐れおののいてしまったんですよ。あんな恐ろしい動画を見なくてもいいように、今日の動画では2018年11月27日から配信した動画をマルっと、くるっと、おまとめしちゃおうという企画にしました。

第25回『アニメで知る中国』ラングリッサーモバイル受賞おめでとう記念「2019年中国マルっとお見通しスペシャル」!

本日、ナビゲーターミミムがお送りするアニメで知る中国第25回は「2019年中国ACGマルっとお見通しスペシャル」です。とりあえず、2018年年末から2019年年末までの動画をまとめましたよっと。

2018/11/27 BL作品で禁錮10年
2018/12/01 テンセント動漫と中国のオリジナルアニメについて
2018/12/08 中国でゲーム道徳委員会設立
2018/12/12 中国ゲーム会社は海外に活路?
2018/12/21 中国ゲーム審査解禁!?
2018/12/27 中国ゲーム審査史
2019/01/10 中国コスプレ事情
2019/01/17 中国ゲーム日本声優起用事情
2019/02/11 2019春節冬の陣
2019/02/22 奥飛動漫
2019/02/23 中国Steam消滅前夜!?
2019/03/03 中国SF映画・流浪地球
2019/03/09 ビリビリ商標事件
2019/03/18 中国生放送プラットフォーム
2019/03/25 日中動漫企業協力状況2018
2019/05/10 中国バーチャルアイドル事情2018
2019/07/06 やっときた?中国ゲームレイティング
2019/07/25 中国製日系アニメキャラゲームの歴史【前編】
2019/08/12 中国製日系アニメキャラゲームの歴史【後編】
2019/08/19 武侠小説の基礎知識

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以上、20本の動画をものすごい簡単にまとめますので、ご興味があれば、本編動画も見てくださいね。前の方の動画は編集やトークがかなり雑なので悪しからず!2019年の最大の事象は間違いなくゲーム審査解禁です。20本の動画のうち4本が中国のゲーム審査、センサーシップに関する内容でした。センサーシップの歴史と2018年12月当時の実際の審査方法と状況は動画をご覧いただくとして、現在中国のセンサーシップはどうなったかというと、2019年7月にモバイルゲーム系の審査が再開、その後順次審査通過が発表されています。

発展する日中共同制作体制

中国コンテンツ日本制作のモデルケースともいえる「大聖帰来Monkey King ヒーローイズバック」に関しても、10月にセンサーシップが通ったようで、16日に中国先行リリース、17日にグローバル同時リリースという、今までになかったリリースの方法と、TGSでの4Gamers大賞受賞は記憶に新しいと思います。作品については賛否あるかと思いますが、ビジネスモデルは確実に今後の日中共同制作の礎になったかと思います。

モバイルゲームのリリースが上手くできなかったことで、2018年中旬から2019年中旬は中国ゲーム業界の苦難の1年となりました。中国ゲーム会社、そしてパブリッシャーはこの教訓を生かし、国内は今まで通りに、同時に海外でのゲームパブリッシングに力を入れ始めます。それに関連するのが、2つ目の事象「ラングリッサーモバイル」の成功です。

2018年8月に中国で、半年遅れて2019年4月に日本でリリースされた本作は、日本メサイヤが1991年からリリースしていたゲーム「ラングリッサー」シリーズを中国紫龍、Zlong Gameがモバイルゲーム化権を取得して制作したゲームです。

近代的に復活したイラストやタクティクス系の原作をうまくアレンジしたゲームシステムもさることながら、閃の軌跡、幽遊白書やサクラ大戦との豊富な日本作品とのコラボによって大成功をおさめ、2019年11月には中国Apple App Storeの年度ゲーム大賞、日本グーグルプレイ大賞を受賞しました。

海外でのゲームパブリッシングに力を入れ始めたゲーム会社としては、アズールレーン、ガールズフロントラインに続き、ラングリッサーモバイルの成功は一つのビジネスモデルとして認識される形になるでしょう。

この海外への進出を現在では「出海」と呼びます。元々貿易用語で輸出という意味なのですが、海外に出る、ということで非常に象徴的な言葉になっています。

「BL作品で禁錮10年」とは?

ゲーム審査とも関係するのですが、三つ目に印象的だったのはアニメで知る中国一本目の動画で紹介した「BL作品で禁錮10年」です。これは2018年にエッチなBL本「攻占」をネットで7000冊販売して15万元、約230万円の利益を出した作家さん狗娃子天一が新聞出版広電総局に淫穢物出版と認定、逮捕されて、禁錮10年の刑に処された話です。

1985年、1987年に出てる中国刑法と出版犯罪活動に関する通知では具体的な罰則は書かれてないみたいだけど、「出版社を通さない出版物は違法出版物」であること、「金額が大きい場合は違法経営罪として厳罰に処す」と書いてあります

このニュースで誤解されているのは「BLに対する罰則」だと思っている人が多いみたいだけど、中国では同性に関する罰則は存在しないらしい。今回パクられたのは「エロい本を出版社を通さず販売した」ことで違法物認定された物品で「大きな金額の利益を得た」という理由ってことなんですよね。

次に記憶に残るのがSteamでリリースされたゲーム「還願」の話です。2019年2月23日に配信した「中国Steam消滅前夜?!」で紹介しましたが、中国でも知名度が非常に高いレッドキャンドル社が前作「返校」に続き、鳴り物入りでリリースしたホラーゲーム内に、中国主席、習近平氏を侮辱する内容があった、ということでリリース差し止めされた話です。この事件については、Steamでのゲームリリースに大きな影響を与えるかもしれない、という見立てでしたが、2019年12月現在、特にそのようなことになってないので、良かったです。

似たような話で「二度目の人生を異世界で」作者の過去発言とキャラクター設定を発端とする炎上で、声優が自主降板した事件や、酸欠少女さユりのMV削除事件、香港デモ関連では、陰陽師の声を当てた日本人声優さんなどが香港支持を表明したことでゲーム会社が対応に追われたり、声優さんの楽曲に対して間違った解釈をしたことで炎上したりと、中国ビジネスの難しさが伺えます。

バーチャルYouTuberの登場

そして、炎上したといえば、この方、キズナアイさんです。2019年では2018年から始まった4人の声優に分離したことで溜まっていた違和感が、2号、3号による初代アイちゃんに対する侮辱が発端で憎悪に代わり、その後4号の中の人と思われる人の微博ツイート、Activ8副社長に対する憶測などで炎上になっていった流れでした。キズナアイさんは2016年に中国で微博アカウントを開く前からコアなファンがついており、ビリビリ動画における、ファンが作ったチャンネルがその火付け役といえるでしょう。その後、微博アカウントを開設しフォロワー数も27万人と多くふやし、中国国内の様々なイベントや、ゲームコラボに登場したりして、中国におけるヴァーチャルキャラクターの新しいビジネスモデルを作ったといえます。

しかし、2019年12月の発表にて、キズナアイ中国はネットイースとキズナアイとのジョイントベンチャーと噂されている「アイード」哎咿多、という会社が運営されることが発表されました。ネットイースといえば中国ではNo2のゲーム会社。以前様々なゲームコラボに参加していたアイちゃんは今後他社ゲームにコラボ参加できるかどうか。「みんなとつながりたい」キズナアイの中国部分が本体と切り離されてしまったことでどうなるのか、気になるところです。

つながるといえば、2019年、中国コンテンツ系企業とつながった日本企業も多かったです。詳しくは第14回の日中動漫企業協力状況2018を見てください。

とくにビリビリは本当に多くの海外企業とやっていることが伺えますが、個人的に気になっているのは音楽関係です。皆さんは中国には違法Mp3配信サイトが多い、というイメージを持っていると思いますが、テンセントミュージックは台湾、香港のレコード会社、ネットイースクラウドミュージックは日本のレコード会社から音楽を買い取っており、市場シェアを囲い込むために、中国国内の海賊版サイトや他社に違法アップロードされている音楽の削除を求めて積極的に動いています。2015年にテンセントミュージックが香港ワーナーミュージックと提携したことはかなり時代を先取りした動きだと感じたことを覚えています。

ということで、

  1. ゲーム審査解禁
  2. 中国IP日本ゲーム「Monkey King」のリリース
  3. ラングリッサーモバイルの成功
  4. 様々な炎上事件
  5. キズナアイによる新しい可能性と大炎上
  6. 中国企業とつながる日本企業

と6つのことから2019年の中国ACGをまとめてみました。

本当にたくさんのことが起こっていて、なかなか追いつけない感じがしますし、2020年も沢山沢山事件が起こると思います。


今回の1周年記念動画でしたが、皆さん如何だったでしょうか。アニメで知る中国では、皆さんからのお便りをお待ちしております!コメントはもちろん、こちらのメールアドレスでも受け付けてますのでおくってくださいね。

では本日の動画ここまでです。アニメで知る中国第25回「2019年中国マルっとお見通しスペシャル」ナビゲーターミミムがお送りいたしました。

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北京動卡動優文化傳媒有限公司有限会社(北京MYC)とは

2010年に設立されたアニメ・ゲーム専門の広告代理店の北京動卡動優文化傳媒有限公司有限会社(北京MYC)。中国のアニメ市場の消費力データを有し、アニメ・コミック・ゲーム(ACG)の分野で、中国市場を狙う企画から販売促進まで一連のサービスをワンストップで提供。2016年に日本支社(株)MYC Japanも設立。