コロナ禍で開催された「今」の中国のイベント運営について|第22回M.Y.Comic動漫遊戯節(北京)レポート

第22回M.Y.Comicアニメゲーム展(以下、MYC22とが2020年11月28日(土)〜11月29日(日))に中国北京酷車国際匯展センターで開催された。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の急速な流行は、世界各国で対応が必要な重大な危機に発展し、ウイルス感染によって生命が脅かされ、医療現場は逼迫している。その結果、グルーバル経済にも影響が広がり、各国では、ロックダウンや行動の自粛による出口が見えない中で対応が行われている状況だ。

しかし現在、中国では新型コロナウイルス感染症の管理体制も確立、ウイルス感染もゆっくりと抑制し、経済は徐々に回復傾向にある。この記事では、感染者の封じ込めが成功しつつある中国で3万人規模のオフラインイベントを企画・運営するMYC北京によるイベントの運営についてレポートしていく。

第22回M.Y.Comic動漫遊戯節(北京)レポート

「展示会業も少しずつ元に戻っている現状。」とMYCスタッフは説明する。「MYC22は主に12~30歳の若い人たちが参加するイベントですが、来場者の安全を保証するため防疫対策が必要となります。現状コロナウイルスは完全になくなった訳ではありませんが、北京の大半の大学の在校生は他県から来ているため、学校の宿舎に滞在しています。休日も学校の宿舎から出ることを禁止されいるところがまだ多いため、今回MYC22の大学生の参加者は以前に比べて大幅に減りました。」とコメントした。

M.Y.Comic動漫遊戯節は、2009年から11年間、マンガ・アニメ・ゲームの関連イベントを30回開催しており、今回は新型コロナウイルス感染症の影響を最小限に抑えるため、防疫措置と防疫物資に気を配ったとのこと。具体的には、防疫物資は隔離スペース、防護服2着、検温機2個、消毒スプレー10個、マスク2,000個、応急薬箱1個を配備し、防疫スタッフを12人配置。

感染対策について

防疫(検疫)

防疫管理に関しては、参加者全員の体温を量ってから入場。すべての出展者と参観者の情報を把握。設営会社、出展事業者のスタッフは身分証情報(職種、電話番号等)を提供し、健康情報を申告。全設営会社、出展事業者の設営者と当日来場者は来場前3日間の健康状況の監視・測定を行うことを求めた。設営会社、出展事業者の来場スタッフの健康コード確認。発熱、咳などの呼吸器症状がある者や健康コードが赤/黄の者には健康告知を行い、イベントの参加は禁止に。毎日健康申告を主催者に提出し、展示会期間中は毎日主催者に健康状態を報告。

一般参加者は、チケット販売システムを通じて身分証明書の実名認証を経てチケットを購入。チケット購入者の詳しい情報を生成し、入場前に身分証による実名認証を行う。主催者側は、すべての参加者を追跡。参加者全員の健康管理記録、チケット購入記録、監視記録などを2ヵ月間保管。という厳重なるルールで運用することを徹底した。

参加者の管理について

参加者の管理については、安全距離の設置の為、参加者の入館通路と館内通路に沿って設置された標識(標識内容:安全距離を保持してください等)を貼り、1メートルの安全距離の標線を設置して、参加者が安全距離を保持し、混雑しない、集合しないよう標識を作り、主催者は音声提示を通じて参加者の分散を誘導。

参加者の入館の流れは、マスクを持っていない人に対して主催者はマスク、手袋、消毒液を提供。距離を保つように指示し、体温検査。身分証明書、入場券両方を持たない者の入館禁止。赤外線测温、高体温(>37.3℃)者の入場を禁止。高体温者は隔離スペースで待機させ病院に連絡。まとめると、

  • マスクを持っていない来場者に無料でマスクを提供。
  • すべての参加者に無料でアルコール消毒スプレーや消毒ティッシュを提供。
  • 設営会社と出展社にマスク、消毒液などを一定数無料で提供。
  • 会場側が十分な消毒液及び用具を準備。
  • 施設側は消毒作業者のために十分な防護用品を用意。
  • 防護用品は防護服、医療用防護マスク、ゴーグル、長手袋、長靴など。
  • 設営会社、出展事業者は展示ブーススタッフ個人の防護措置を取り、十分な防疫物資を用意。
  • 主催者は入り口、通路、トイレ、飲食店、ブース内外、主幹通路の人目につく位置に掲示物などを案内。
  • 期間中、放送を通じて防疫への取り組みを提示。
  • 主催者、設営業者、出展者と主催スタッフはイベントの出入り口、入場手続き、弁当手配、ごみ処理と閉館後消毒作業の訓練を行う。

以上の防疫措置を行い、MYC22は開催された。現地スタッフによるレポート。

MYC22のテーマは「冬泠之约,感恩再会!」

MYC22のテーマは「冬泠之约,感恩再会!」で、MYCをこれまで応援してきた皆さんへの感謝の気持ちを表現するために開催日を感謝祭にしました。会場は全体的に白黒漫画をイメージし、日本の学校の教室を再現したり、シーン再現の一部として様々なものを設置しました。

MYC22の来場者数は5,000人で以前と比べて人数は少なくなりました。出展した企業は全部8企業で、天梯互娯社の『奥奇伝説』、完美世界の『旧日伝説』がモバイルゲームとして参加しました。他にもカードゲーム『三国殺』。広州天聞角川、万代一番くじ、閲文集団の華文天下、皿女人坊、喫茶店の三千奶茶、執事喫茶、メイド喫茶、漢服メーカー1社、ロリータファッション販売店3社、制服販売店5社が出展しました。一般出展は50サークルで、同人6ブース、オリジナルグッズ18社、アニメ・ゲームの周辺グッズ販売店が26社でした。

今回のMYC22のイベントでは踊ってみた全国イベント「中国好宅舞」の「北京地区決勝戦」、MYC独自イベントであるカラオケ大会「MYC唱見歌姫大会」、イラスト大会「MYC魂画手大会」、舞台コスプレ劇「MYC舞台補完計画」の4種類のステージイベントを行いました。応募総数は300人を超え、応募作品は100作品、賞金総額は20,000元に設定しました。

現場にはスタンプラリーイベントやデジタルゲームチャレンジイベントも開催し、全入場者数の50%がこれらのイベントに参加したことが分かっています。
現場アンケートデータから、MYC22の来場目的は主に友人と会う事で、オフラインイベントが同じ趣味を持つ参加者が共に行動し、交流する重要なソーシャルスペースになっていることを示しています。ゲームチャレンジイベントが良い例で、参加性、体験性の高いイベントは来場者に好まれることが分かっています。

次回、第23回M.Y.Com動漫遊戯節は中国の端午節連休(2021年6月12日(土)~6月14日(月))に開催する予定です。M.Y.Comicは中国における国際オタクイベント協会 International Otaku Expo Association(IOEA)の加盟イベントとして、今後も皆さんのお役に立てるよう情報発信を行っていきたいと思います。次回のイベントでお会いできるのを楽しみにしています。ありがとうございました。

北京動卡動優文化傳媒有限公司
M.Y.Comic動漫遊戯節組織委員会

北京動卡動優文化傳媒有限公司有限会社(北京MYC)とは

2010年に設立されたアニメ・ゲーム専門の広告代理店の北京動卡動優文化傳媒有限公司有限会社(北京MYC)。中国のアニメ市場の消費力データを有し、アニメ・コミック・ゲーム(ACG)の分野で、中国市場を狙う企画から販売促進まで一連のサービスをワンストップで提供。2016年に日本支社(株)MYC Japanも設立。