アニメ『同居人はひざ、時々、頭のうえ。』最終回「君と僕と」放送直前!鈴木薫監督インタビュー到着!あらすじ&先行カットも

COMICポラリスにて好評連載中の「同居人はひざ、時々、頭のうえ。」がTVアニメ化!不器用な青年と一匹の猫、それぞれの視点で描かれ、AT-X、ABCテレビ、TOKYO MX、BS11にて好評放送中の本作。今週の放送で最終回を迎えるにあたり、鈴木薫監督からインタビュー到着!素晴とハルがゆっくりと家族になっていく様子を描くため、随所に細かな工夫や演出が凝らされていたことが明らかに!

“素晴とハル、二人が家族になっていく様子を描く繊細な工夫が随所に”鈴木薫インタビュー

―猫の「あるある!」が描かれていますが、猫を飼われていた経験はありますか?

猫を飼った経験はないのですが、もともと猫が好きで、猫の動画を見るのが趣味でした。猫が主役のこの作品のお話をいただいた時は、楽しみな反面、制作が大変になりそうだなと思いました。

―アニメで四つ足の動物を描くのは難しいといわれますが、猫もその例外ではなく?

そうですね。人間であれば、こんな時どんな動きになるのか、自分で動いてみれば分かるのですが、猫の場合、自分がその動きを真似ることが出来ないので、細かく芝居をつけた動きを描くのがとても難しく、作画担当のスタッフはとても苦労したと思います。

たまたま猫を飼っているスタッフが多かったこともあり、絵コンテを元に猫特有の動きを描き足してもらったりして、より自然な動きの画になるように心がけました。

―素晴目線で描かれる前半パート、ハル目線で描かれる後半パート。本作は1話の中で視点の中心が変わる独特のスタイルで描かれますが、苦労した点は?

時系列を合わせていく作業が特に大変でした。シナリオ打合せの時も素晴とハルのパートで時系列にずれが起きないように、時間軸を書き出してすり合わせを行って、という作業を繰り返しながら進めていきました。

―素晴とハル。主役の二人を演じた小野賢章さんと山崎はるかさんにはどのようなディレクションをされましたか?

素晴に関しては、物語の序盤は人が苦手ということもあり、人と会話することが少なく、モノローグが中心になります。ナレーションのニュアンスだけでなく、素晴の心情を表現するシーンでは、台詞のニュアンスで話してもらったりと、モノローグの中でもシーン別で細かく演じ分けていただきました。

ハルに関しては人間の言葉で話していますが、あくまでも猫なので人間になり過ぎないことと大人になり過ぎないことを意識しました。ハルは素晴のことを「あの子」と呼んでいて、ハルの方が年齢としては年下ですが、弟扱いしています。台詞は大人ではなく、お姉さん的なニュアンスになるよう演じていただきました。山崎さんにはとても難しことをお願いしていたなと思います。

―「一人と一匹、僕らは家族になっていく」というキャッチコピーにもあるように、本編を通して素晴とハルの二人が家族になっていく様子が描かれますが、このテーマを描くために意識したことはありますか?

「段階を追うようにした」ということでしょうか。例えばハルの表情ですが、序盤のシーンで登場するハルは目つきが鋭く、可愛いというよりはカッコいいというか野良の雰囲気が残った顔付をしていますが、素晴を受け入れていくようになるにつれ、表情も柔らかくなるよう微妙に変化をつけています。また、画面上の工夫としては色の処理を変えています。具体的には、ハル目線のパートでは、猫が赤色を認識しにくいという特性があることから、背景の赤みを抜いて、彩度を落とした処理を施しています。

1話の時点では背景だけでなく、素晴に対しても赤味を抜いています。この時点ではハルがまだ素晴のことを受け入れていないので、背景やモノと同じようにしか認識していないんです。

 ここから素晴が自分からハルに触れる3話、ハルが近よってくるのを戸惑いながら受け止めはじめる5~6話、そこにいることが当たり前になり出した8話~9話。そして、最後に二人が家族なるエピソードが描かれる11話~12話。と少しずつお互いの距離が近づいていきます。

実は最終回となる12話だけ、お互いが同じ世界を見ていることを示唆するために、素晴パートとハルパートで色味の処理は変えていません。    

意識してみないと気付かないような微妙な変化ですが、1、2話と最終話を見比べていただくとその違いが分かっていただけるかなと思います。

―最終話をこれからご覧になられる視聴者の皆さんへメッセージをお願い致します。

アニメでは素晴とハルが家族になっていくための下地として、それぞれの過去(家族)のエピソードを原作よりも多く取り入れて描いています。過去から現在とゆっくりと二人が家族になっていく様子を小さな変化を積み重ねながら、描きました。ぜひ最後までお楽しみください。

最終回「君と僕と」最終話先行カット&あらすじ

あらすじ

嵐のせいで徳島からの帰りが遅くなってしまった素晴は、大翔にハルの様子を見に行ってもらうよう頼む。一方、ハルもなかなか帰って来ない素晴が心配で落ち着かない。そこに大翔がやってくると、素晴を探しに外に飛び出してしまった!!それを聞いた素晴は、居ても立っても居られず、暴風雨のなか走り出す!なな、優伍、河瀬も加わり皆で探し回るが、全然見つからない……。素晴とハルは無事に再開できるのだろうか―

脚本:赤尾でこ
絵コンテ:西森 彰
演出:鈴木 薫          
作画監督:本田創一、北山芳規、藤田正幸、油布京子、平山寛菜

場面カット

TVアニメ『同居人はひざ、時々、頭のうえ。』作品概要

イントロダクション

”癒される” と大反響!不器用な青年と、一匹の猫がおくる大人気漫画がついにアニメ化決定!発売後、たちまち重版が決定し、現在もCOMICポラリスにて好評連載中の「同居人はひざ、時々、頭のうえ。」が待望のTVアニメ化!

他人が苦手で、人見知りの小説家・朏 素晴(みかづき すばる)と過酷なノラ生活を生き抜いてきた猫のハル。ふとしたきっかけで一人と一匹はいっしょに暮らし始めるが・・・?日々の暮らしをひと目線とねこ目線で描き、それぞれの想いが交互に織りなされるストーリーが”心があたたまる“と話題に。些細な時間を積み重ねて、僕らは「家族」になっていく――ふたりでみつける幸せ一緒ぐらし。

キャスト

朏 素晴:小野賢章
ハル:山崎はるか
河瀬 篤:下野紘
矢坂大翔:堀江瞬
押守なな:安済知佳
押守優伍:中島ヨシキ
はち:村瀬歩
ろく:津田健次郎
秋元春:南條愛乃
ほか

スタッフ

原作:みなつき 漫画:二ツ家あす(COMICポラリス連載)
監督:鈴木薫
シリーズ構成:赤尾でこ
キャラクターデザイン・総作画監督:北尾勝
総作画監督:中原清隆
サブキャラクターデザイン・プロップデザイン:西野 美沙樹
美術監督:合六 弘
色彩設計:辻田邦夫
カラーディレクター:古川篤史
撮影監督:國重元宏
編集:宇都宮正記
音響監督:納谷僚介
音響制作:スタジオマウス
音楽:コトリンゴ
音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ
アニメーション制作:ゼロジー
製作:ひざうえ製作委員会
オープニング:Schrödinger’s Cat adding コトリンゴ 「アンノウンワールド」
エンディング:南條愛乃 「君のとなり わたしの場所」

公式HP http://hizaue.com/
公式Twitter @hizaue_pr

©みなつき・二ツ家あす・COMICポラリス/ひざうえ製作委員会