『アニメで知る中国』グレート・ファイアウォールをすり抜けろ?ゲーム用ネット加速器

『アニメで知る中国』へようこそ!ミミム(北京MYC)です。

皆さんゲーム機で遊んでいますか?中国では昔はSEGAのハード、SEGAサターンがプレイステーションより圧倒的に人気でした。90年代に若者に大きな影響力を持っていたゲーム情報誌でセガサターンのゲームが沢山紹介されていたのが主な要因だと考えられています。

しかし、今やPlayStation4の時代ですね。PS4でモンハンワールドが発売されてからは暇があればプレイしていますが、最近引っ越した家でオンラインマルチプレイをしようとすると、接続が不安定になってしまいました。

さて、どうしたものか…?
本日ミミムがお送りするアニメで知る中国のテーマは「グレート・ファイアウォールをすり抜けろ?ゲーム用ネット加速器」です。

第18回『アニメで知る中国』「グレート・ファイアウォールをすり抜けろ?ゲーム用ネット加速器」

その前に、昨年の動画「【第6回】中国ゲーム審査史」で紹介しましたけども、モンハンは2018年にテンセントがパブリッシャーとなって中国でリリースする予定でしたが、8月にリリースするための「出版番号」が取り消されてしまいました。

ということは中国からPS4で「モンスターハンター:ワールド」にオンラインアクセスすることは、違法なんじゃないの?って、皆さん疑問に思うかもしれませんが、「モンスターハンター:ワールド」はワールドワイドサーバーでサービスされていますので、モンハン側では違法ってことはないみたいです。中国では認可されていないゲームですが、ゲームを日本で買ってきてプレイすることに問題はないようです。販売はできないが、プレイはできる、といった感じですかね。

実際、PS4が正式に中国に進出する前も、多くのプレイヤーがPS4を所持、プレイしていたわけですし、中国の日本人留学生でもPS4を日本から持ち込んで「メタルギアオンライン」とかやってました。これに対して中国政府がなにかしら明確な禁止令を出したことはないようです。なのでおそらくグレーゾーン。ゲームをやるにもグレーゾーンってのは何かと腑に落ちませんが、違法でもないし他の方に迷惑が掛からなければ問題ないということで今回は進めます。

ネット接続に関しては、ミミムの周りにも中国北京在住で5人ぐらいオンラインマルチプレイしている人がいますが、特に問題はないようです。

では、ミミムが接続しにくいのはなぜか?

実は最近引っ越したところ、ネット環境がよくなく、中国のサイトさえもうまく見れません。築15年ぐらいでルーターも新しいのですが、もしかして契約しているネットの会社の問題かな?とも思っていろいろ調べましたが、結局良くわかりませんでした。このままでは週末の唯一の楽しみがなくなってしまう!ということで、モンハン仲間に相談したところ、「ゲーム加速器」と言う物がある、と教えてもらいました。

「ゲーム加速器」ってなんだ…

ネットを検索したところ、ありましたよ、「網游加速器」。網游というのは、網絡遊戯、ネットゲームの略語です。UUか雷神がいいよ、ということで、さっそくUU加速器のホームページにアクセス。なるほど、加速するにはPCかルーターか、或いはオリジナルの加速箱、というものを使えばできるみたいですね。

そして、こちらが機器です。

3日間のトライアルができるってことで、とりあえず、PC経由の加速をやってみようと思います。PC経由の加速ってなんだ?って思うかもしれませんが、とりあえずアカウント登録。電話番号登録とSMSコードの認証で完了。PC版ソフトをダウンロードして起動しました。

使用方法

  1. 家のLANを装置につなげ、装置からLAN線をPS4につなげる
  2. 携帯を装置が発するWifiにつなげ、アプリを起動して、装置をONにする
  3. 加速される

無事にPS4でモンスターハンターワールドに接続できるようになりましたが、これ、触ってみたところ、簡単にいうと、プロキシを刺す感じですね。オンラインもスムーズで、結構いい感じなんですが…。PCもオンラインじゃないといけないので、手間はかかりませんが、もしPCを家に持って帰ってこなかったら、使えないってことになるので、加速箱を購入することにしました。

こちら加速箱。注文して翌日に到着。さすが中国物流。ですが、良く見るとウイグル、チベットには送れないらしい。やはりプロクシを含むネット関連機材は厳しく規制されているようですね。

設置も完了し、これでPCで加速手続きをしなくても勝手に加速してくれる模様。快適なモンスターハンターワールドライフが送れますね!

ちなみにお値段は本体価格138元で、1ヵ月使用権と本体のセットで153元、約2,500円です。年間使用量で362元、約5,700円くらいで、快適なゲームライフを遅れるのなら、まあまあいい感じの商品な気がします。そして、加速器ですが、ソフト、ハードがいろんなメーカーやプラットフォーマーから出ています。

今回ミミムが購入したUU加速器は荒野行動で知られているネットイースのサービス。でも皆さんきっとこう思うでしょう。こんなことをして中国政府が黙っていないんじゃないかって。

おそらく大丈夫だと思います。

まず、これはネットワークの通信速度を上げるサービス。そして国内ゲームの速度を上げることが基本的な建前です。これらは中国政府的には問題ないでしょう。中国本土で審査・リリースされているゲームを遊ぶ分には違法性はありませんから。また、海外のゲームに接続することについても、審査されていないものはリリースされていないから、存在しない、と理解されると思います。機材がそのゲームに対応していること自体は問題視されないでしょう。何より、このサービスはあくまでも「クローズしたゲーム界隈での話」というのが重要になってくると思います。

例えば、このサービスや機械を使う事で、海外のインターネットサイトにアクセスできるようになった場合問題になりますが、これはあくまでもPlayStationが提供するPSNや任天堂Switchのような閉鎖された空間への限定的なアクセスをするものです。

今までの中国政府の物事の進め方だと、海外ゲームに100万〜200万の人たちがこのサービスを使ってアクセスし始めたらおそらく何かしら動くでしょうが、普通にネット環境がよい中国の家庭であれば、このサービスを使う必要はないでしょう。だから特に「大きく広まることはない」と現状考えられます。

実際、ミミムの中国のモンハン仲間はみんな、加速器は使っていませんが、中国には面白いサービスがありますね。調べてみると、このサービスは2011年には登場していたようです。

元々は中国南北のインターネットネットワークの分断による、南北プレイヤーが同一サーバーで遊べなかった時代に使われていた技術をそのまま流用したようですね。中国は物理的に広いので、北中国と南中国がネットでも分断されていた時代があったんですよ。ログイン画面に「電信」と「網通」があって、自分が住んでいる地域に基づき正しい方にログインしないと、ものすごくラグかった時代があったんです。そんな時代を乗り越えた今、この技術をマネタイズすべく、今は中国本土と海外をつなぐ「ブリッジソフト」として復活したんですね。

中国のネット関連の話題は本当にたくさんあって飽きませんね。

編集後記

皆さんいかがでしたか?アニメで知る中国では皆さんのコメントをお待ちしております。知りたい事、気になったことありましたら、どんどん書き込みしてくださいね。そして、チャンネル登録もぜひお願いします!では、本日の動画ここまでになります。アニメで知る中国第18回「グレート・ファイアウォールをすり抜けろ?ゲーム用ネット加速器」

お相手はミミムでした

またね!

記事:ミミム(北京MYC)

北京動卡動優文化傳媒有限公司有限会社(北京MYC)とは

2010年に設立されたアニメ・ゲーム専門の広告代理店の北京動卡動優文化傳媒有限公司有限会社(北京MYC)。中国のアニメ市場の消費力データを有し、アニメ・コミック・ゲーム(ACG)の分野で、中国市場を狙う企画から販売促進まで一連のサービスをワンストップで提供。2016年に日本支社(株)MYC Japanも設立。FacebookTwitterRedditHatena