【2020年】数字で振り返る『鬼滅の刃』ジャンルを越えた報道が急増 内外切抜通信社調べ

新聞・雑誌・ニュースサイトなど6,000媒体以上を対象に調査・分析を行う株式会社内外切抜通信社は、2020年1月1日〜12月15日にかけてYahoo!ニュースに掲載された記事のうち『鬼滅の刃』を本文中に含むものを集計し、露出の傾向を分析・公開しました。

【2020年】数字で振り返る『鬼滅の刃』

「週刊少年ジャンプ」吾峠呼世晴氏原作コミックス『鬼滅の刃』。本日12月28日に「千と千尋の神隠し」の興行成績を押さえ歴代1位になったことが発表されました。2020年末には「新語・流行語大賞」や「Yahoo!検索大賞」、「Google急上昇ランキング」や「日経トレンディヒット商品ベスト30」、「ネット流行語大賞」など多数の賞にノミネートされ、「メディア展望」に掲載された「通信社が選んだ2020年10大ニュース」では共同通信社、時事通信社のトップ10に選出。文字通り日本を動かした本作品が今年どのような動きをしてきたか数字で振り返ってみたいと思います。

『鬼滅の刃』は映画化をきっかけにカテゴリーを超えた報道が増加

2020年1月から9月の『鬼滅の刃』を含む記事の1日あたり平均露出数は13.8記事と、今年はじめからすでに一定程度の話題を集めていたものの、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が公開された10月以降には5倍となる70.1記事に増加。Yahoo!ニュースに記事を配信している提供元メディアのジャンルや種類が大幅に増えました。『鬼滅の刃』が映画化をきっかけにカテゴリーを超えた報道が増え、メジャーなコンテンツに成長したことが伺えました。

【調査手法】2020年1月1日から12月15日の間、当社独自のシステムを利用してYahoo!ニュースをモニタリングし、本文中に『鬼滅の刃』という文字列を含む記事を収集しました。収集した記事の見出し・掲載日・提供元メディアなどのデータも取得し、同社独自の分類方法により分析を行いました。
※データは調査時点(2020年12月16日)のものになります。

2020年『鬼滅の刃』がYahoo!ニュースで報じられなかった日はたったの1日

日付別記事数:さまざまなトピックに連動して記事数が増減しながら、10月以降爆発的に露出が増加。

2020年1月1日から12月15日までのYahoo!ニュースにおける『鬼滅の刃』を本文中に含む記事の総数は「9,104件」でした。期間の中で、記事掲載のない日は「5月14日」のみでした。1日あたりの記事数は平均26件。最多だった日は、全国5紙にコミックス最終巻の全面広告を掲載した12月4日の188件で、ファンが新聞を集めるために奔走した様子などが多く報じられました。月別の記事数を見ると、1月から9月は小さな増減を繰り返して平均419件。10月はその4倍以上となる1,745件が掲載されました。

月別記事数・月ごとの1日あたり平均記事数:上半期はコミックス完結の5月に小さなピークがありますが、下半期は増加の一途をたどっています。

劇場版公開の10月頃からアニメ・マンガ系以外のメディアが目立つ結果に

提供元メディア数の月ごとの推移

『鬼滅の刃』を本文中に含む記事の提供元の数を調査したところ、2020年1月には約60のメディアが『鬼滅の刃』を取り上げていました。10月になると提供元メディア数は約240とおよそ4倍に増加。多くのメディアで言及が広がるようになりました。Yahoo!ニュースに記事を配信しているメディアは637媒体(Yahoo!ニュース「ニュース提供社」ページより、2020年12月26日現在)あり、実に半数近くの媒体が『鬼滅の刃』を一度は取り上げたことになります。

記事数が最も少なかった1月と最も多かった11月で、掲載数を比較した結果「スポーツ(総合)」や「経済・ビジネス」、「ニュース」、「一般総合」といったジャンルのメディアで、増加比が20倍以上となりました。一方で、「アニメ・マンガ」、「音楽」、「映画・TV」関連メディアは1月の時点からの伸びは5倍未満となり、映画化とともに、より幅広い人が読むメディアで「鬼滅の刃」が取り上げられる機会が増えたことが伺えました。

より読者層の幅が広いメディアで取り上げられる機会が増えた。

また、1月には掲載ゼロだった「料理・グルメ・食品」は、11月には30件に。これはコラボ商品が多く売り出されるようになったことが要因と思われます。

新聞社やテレビ局といったマスメディアが大きく伸びている。

記事掲載数が多かった提供元メディアの月ごとの記事数を分析したところ、ピークが10月になるメディアと11月になるメディアとに分かれました。

記事掲載数が多かった提供元メディアの月ごとの記事数:MANTANWEBやORICON NEWSなどエンタメ系のサイトでは記事数のピークが10月に来ている。

エンタメ・アニメ系のニュースサイトは映画の話題をリアルタイムで伝え、スポーツ紙などの一般向けニュースサイトは映画がヒットしてから後追いで記事を出すことが多かったからだと推測されます。

掲載数が多かったメディアはMANTANWEB、ORICON NEWS、アニメ!アニメ!と続く

提供メディア別掲載数

掲載数が多かったメディアを調べると、1位はエンタメ系ニュースサイトのMANTANWEBとなりました。ORICON NEWS、アニメ!アニメ!とエンタメ系のメディアが続きます。

キャラクター別掲載記事数、トップは「炭治郎」煉獄杏寿郎の露出は10月以降大幅増

キャラクター別記事数と「煉獄杏寿郎」を本文に含む記事数

主人公の竈門炭治郎と妹の竈門禰豆子、そして柱の9人を加えた11人の人気キャラクターの名前が含まれる記事数を集計したところ、トップは主人公の竈門炭治郎(2,512件)でした。2位には映画の主要人物である煉獄杏寿郎、3位は炭治郎の妹である竈門禰豆子が続きました。

また、煉獄杏寿郎の掲載数は、9月までは1ヶ月の平均が34件だったところ、10月には348件に激増。映画化の影響が感じられる結果となりました。

「鬼滅」を見出しに含む記事の割合は、1月「半分未満」から10月「9割近く」に

「鬼滅」を見出しに含む記事の割合:1月から2月にかけて大きく増えている。

「鬼滅の刃」を本文に含む記事のうち、見出しに「鬼滅」を含む記事の割合を月ごとに算出したところ、2020年1月には50%未満だったのが、10月にはおよそ40ポイント増えて90%近くとなりました。人気上昇とともに、「鬼滅の刃」を記事のメインコンテンツとして扱ったり、記事を読ませるフックとして「鬼滅の刃」を利用したりするケースが増えたと考えられます。

ツイート件数も10月で激増

TwitterのAPIから「鬼滅」を含むツイートを抽出したところ、「連載完結」「劇場版公開」「新聞広告掲載」のタイミングで大きなピークがあることがわかりました。月別の合計ツイート数を算出すると。10月には1,000万件以上のツイートが検出されました。

元記事 https://digitalpr.jp/r/44279

名称:株式会社内外切抜通信社
所在地:〒169-0072 東京都新宿区大久保3-14-4 毎日新聞社早稲田別館
代表者:代表取締役社長 近藤義昭
資本金:1,000万円
URL:https://www.naigaipc.co.jp

JMAG NEWS編集部まとめ

『鬼滅の刃』は2018年6月4日発売の週刊少年ジャンプ27号でTVアニメ化が発表されました。それから2年という短い期間でここまでの人気になったのはまさに驚異的と言えます。

本記事で示すようなメディアの動きはユーザーニーズにかなったもので、先ずはサブカル系、エンタメ系、そしてコラボ案件の増加に伴い全く違うジャンルのメディアでも取り扱われるようになりました。その結果、原作ファンやアニメファンからもう少し広くライトな層まで広がり、結果多くのファンを増やしていった経緯も興味深いです。キメハラといった言葉も流行りました。

次に、本作の人気の増加と共にキャラクターの声を担当する声優にも焦点を当て、結果、竈門炭治郎役の花江夏樹さんや竈門禰豆子役の鬼頭明里さん、そして我妻善逸役の下野紘さんがバラエティの他様々な番組に出演するようになりました。結果、番組中の発言を取り上げた記事が公開されるなどメディアの動きは益々激しくなっています。

また、ポスト「鬼滅」と呼び声が高い『呪術廻戦』や来年TVアニメ化を決定している『チェンソーマン』についても、既に多くのメディアに報じられるようになっており、特に「週刊少年ジャンプ」の作品は今後も取り上げられていくと考えます。勿論、『鬼滅の刃』についても原作コミックスは最終回を迎えましたが、無限列車編の次の展開については、2020年12月15日の東京スポーツの記事にて東宝・市川 南常務が2022年の可能性について示唆した通り、次の企画は既に走っていると考えるのが正しいと思います。2021年も鬼滅ブームは続くでしょう。

公式サイト: https://kimetsu.com
公式ツイッターアカウント:@kimetsu_off
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(C)吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable