『アニメで知る中国』へようこそ!ミミム(北京MYC)です。世界中で広がる新型コロナウィルス感染症(COVID19)ですが、先日ネットで使えば使うほど中身の女の子が浮きでるという石鹸がありまして。
これ最初見た時、日本的な商品だなと思ったんですが、これ、Yosterさんが出してるアークナイツというゲームのキャラクターが使われているんですね。でどうやら、中国で販売されているモノらしい、すごく売れているらしいということを知りました。
この商品を見たとき中国、日本の「課金」に関する考え方の違いを見た気がします。本日、アニメで知る中国、ナビゲーターがお送りするのは「第28回 石鹸からみる日中ゲーム課金」です。
第29回『アニメで知る中国』石鹸からみる日中ゲーム課金
さて、問題の物はこちら。
で、色々調べてみて、アークナイツの石鹸を販売しているサイトを見つけたのですが、どうやら正規店舗ではないようですね。
基礎知識としてタオバオには一般的な小売さんが販売しているタオバオ、認証された店舗の天猫の2つに分かれます。小売りさんは個人でも販売できるので、中にはモデルさんが自分を貸し出したり、Photoshopで撮影した写真を加工したりすることもやってたりします。認証された店舗の天猫では、高級家具や電動キックボード、或いはグットスマイルカンパニーさんやアニプレックスさんなどが店舗を出してます。
で、こちらのアークナイツ石鹸を検索したところ、タオバオと天猫の2つ店舗で売ってましたが、どちらもアークナイツから正式許諾をとっているように見えませんでした。
なのでこれはもしかしたら海賊商品かもしれませんね。
で、もうちょっと調べてみると、
Moeyuというアニメグッズ専門の天猫ショップがありまして、そちらをみると、いくつか違うアニメの商品がありました。
また、ネットで調べてみると、2013年の記事ですが、世界保健機関・WHOが南アフリカで手掛けた啓発プロモーションってのがあって、そこで同じような石鹸が紹介されています。アフリカに広く進出している中国企業さんが現地で見たのかもしれませんね。
それはさておき
一番最初この商品を見た時、ミミムは日本で開発しそうな商品だな、と思ったのですが、よくよく考えたら違うかもと考え直しました。
丁度私が参加しているDiscordのコミュニティーがあるんですが、そこでギャンブルの話をしている中、中国と日本のゲーム課金について話が及んだ時、はっと気づきました。
これ、もしかしたらすごく中国的な商品じゃないのか?と
そこで思い至ったのが課金に対する考え方における日中の差でした。
中国はゲームの課金方法にはガチャもありますが、それよりもサブスクリプションのような毎月固定金額課金してVIPとなって、毎月様々な特典を受け取る方法、また体力や戦闘回数のように目に見える効果のあるモノ、或いは見た目が変わる装備やスキンに対する課金が多いです。
かたや日本では、一定の範囲内ながら何が出るかわからないガチャが主な課金方法です。
中国の課金方式は「現在、或いは将来手に入る報酬が明確である」という特徴があり、日本の課金方法は「何が手に入るかわからないが、ガチャを回す行為自体が楽しい」という特徴が見えると思います。
この石鹸を見た時、これは「将来的にキャラの一糸まとわぬ姿が見られる…」という明確な報酬が見えるものです。これは先ほどの特徴に照らし合わせると、中国的な商品であることがわかりますよね。
さて、もし日本でこの商品を出すとなるとどうでしょう?
日本的な課金の特徴からすると「なにが出てくるかわからないが、最終的に出てくるキャラが出てくるまでが楽しい」という事なので、おそらくこうなります
そう、中身が見えないタイプ。
日本ではどんなキャラが出るかお楽しみ、ということで、ガチャみたいなアイテムとして登場するのではないでしょうか?
有識者によりますと
「これはいろんな意味でけしからん商品だが、日中の違いがよくわかる。」
という事です。
今回の商品ですが、日中のゲーム課金に関して、様々なヒントを私たちに教えていると思います。
日本のアプリゲームを中国でリリースするにあたり、いつもいろんな問題が起こりますが、その中でも重要なポイントが「課金システム」。日本の課金システムは単調すぎる、という事がよく言われています。
もちろん中国の課金システムは日本ではなかなか受け入れられなかった時代もありますが、いまはその強いコンテンツ力で日本のプレイヤーには受け入れられているとも言われています。
本日の動画いかがでしたでしょうか
第29回 石鹸でわかる?日中のゲーム課金についてナビゲータのミミムがお送りしました!
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北京動卡動優文化傳媒有限公司有限会社(北京MYC)とは
2010年に設立されたアニメ・ゲーム専門の広告代理店の北京動卡動優文化傳媒有限公司有限会社(北京MYC)。中国のアニメ市場の消費力データを有し、アニメ・コミック・ゲーム(ACG)の分野で、中国市場を狙う企画から販売促進まで一連のサービスをワンストップで提供。2016年に日本支社(株)MYC Japanも設立。