アニメシティ2.0を目指す世界最大級のACGイベント『中国国際動漫節 2018』レポート

中国国際動漫節(中国国际动漫节2018/China International Cartoon and Animation Festival CICAF)とは、2006年5月より年1回中国・杭州にて開催されているアニメコンベンション。主にCCTV、中央電視台といった国営放送のテレビ局から、騰訊や網易といったゲーム会社、そして、日本でも知られるようになった配信サイトのbilibiliまで中国の大手企業がずらりと並ぶ。会期は6日間と長めで、昨年の実績を参照とすると2017年海外から2,531企業団体が参加し、来場者は1,394,500人に達したとのこと。驚異的だ。

会場がある白马湖(White Horse Lake)は、カルチャーやクリエイティブ産業、観光、建築といった分野における新規開発エリアで、まだ建設中の杭州中国动漫博物馆(中国アニメーション博物館)が隣接している。完成時期は明示されてはいないが、2018〜2020年内での構築とあり、アニメーションの首都「アニメシティ2.0」というビジョンのもとプロジェクトが進行中だ。

家族向けカートゥーン、ACG、ゲーム

会場は、家族連れ、若者がメインの客層で、中国の人気アニメ・ゲームが幅広く紹介されていた。ACGとは、アニメ、コミック、ゲームの略称だ。

動画サイトbilibiliのブースでは、現在日本で放映中の最新アニメや人気スマホゲームの『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』や『Fate/Grand Order』といったゲームのイベントに多くの若者が集っていた。陰陽師などの人気ゲームを手がける網易は、独自のマンガサイト網易漫画単独のブースを展開し、原作者の育成に本格的に取り組んでいた。

各ブースでは、WeChatやWeiboでQRコードからフォローすると無料のショッパーやクリアファイルなどが配られていたが、日本のフィギュアやグッズなどを購入し、ショッパーで持ち歩く若者を多く見かけた。…そう、このお二人もね!

回るゲーム実況者とゲーム視聴者のエコシステム

ゲームに関しては、中国には最大級のゲームイベントChina Joyがあるが、こちらでも網易をはじめとした中国のゲーム会社が、ステージ上でゲーム実況をするブースが目立っていた。網易はHeroes of the Storm(Blizzard Entertainment)の紹介など実施し、コアなゲームファンの心を掴んでいた。

コスプレイヤーのクオリティの高さに脱帽!

コスプレイに関しても日本や他国のコスプレイベントとの違いは全くなく、演じる側も撮影する側も楽しんでいる様子だった。中国独自のキャラクターが多かったようだ。会場では「2018中国cosplay超级盛典」と称された大規模イベントも開催されていた。

グッズも好評!BILIBILI娘「22娘」と「33娘」

bilibiliの2人のキャラクターBILIBILI娘「22娘」と「33娘」をご存知だろうか。2010年に開催されたイラストコンテストで選ばれた2人で、双子という設定。今では愛されるbilibiliの人気キャラクターに昇華した。


最後に5月1日の報道によると、「中国国際動漫節 2018」は、昨年に比べ人気が更に上がっており、5月1日14時30分の段階で、143.35万人の来場者が確認できたとのこと。内訳として、メイン会場36.28万人、1日来場者数は11,1万人と新記録を樹立。動漫節における実際のビジネス契約数としては契約意向が1,291案件、金額は138.35億元。動漫節での消費金額は24,86億元で、総計163.21億元が動いた。

全体的に第14回中国国際動漫節は展示規模、来場者数、取引金額、イベント収益の各面からまたも新記録を打ち立て、専門化、国際化、産業化、ブランド化、市場化レベルが一層高まったといえる。

中国国際動漫節 公式サイト http://www.cicaf.com/