アニメ『Fate/kaleid linerプリズマ☆イリヤ』OVA 制作決定!イリア役 門脇舞以さんのインタビュー掲載!

本日開催された「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ Anniversary live event ”Prisma☆Klangfest ~kaleidoscope~”」にて、『Fate/kaleid linerプリズマ☆イリヤ』OVAの制作決定!が発表されました。

アニメ『Fate/kaleid linerプリズマ☆イリヤ』OVA第一弾ビジュアル

また、イリヤスフィール・フォン・アインツベルン役の門脇舞以さんの「Fate/stay night」×「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」の合同オフィシャルレポートも公開されました。

イリヤスフィール・フォン・アインツベルン役の門脇舞以さん合同オフィシャルレポート

――門脇さんとイリヤスフィール・フォン・アインツベルンの出会いをお聞かせください。

門脇 最初の出会いはアニメ「Fate/stay night」のオーディションでした。そのときはセイバー役を受けていて、別役として遠坂凛ちゃんを受けていて。イリヤなどのオーディションを行っていることは知らなくて、たしか第二弾キャスト発表のときに、イリヤ役になったことを知りました(笑)。私が声優の仕事を始めてまだ間もない時期に、出会ったキャラクターので、いまだにイリヤに向かい合うと当時の緊張していたことをすぐに思い出してしまいますね。

――イリヤの印象はいかがでしたか?

門脇 強そうな〈マスター〉や〈サーヴァント〉の顔ぶれの中で、かわいくて幼い子だったので、なんだか特別感があって嬉しかったです。そのあと原作のゲームを自分なりにプレイしてからアニメの収録に臨んだのですが、「Fate/stay night」は3人のヒロインのルートによって、イリヤと衛宮士郎との関係性やバーサーカーの戦い方も変わっていくこともあってゲームの印象をそのままセイバールートだけのアニメにもっていくことは難しそうだと悩んだこともありました。ただ、アニメではアフレコ時にはもうイリヤの表情も細かくつけていただいていたので、その表情や雰囲気を信じてついていこうと思ったのを覚えています。

――「Fate」シリーズでは、これまでいろいろなイリヤが描かれてきましたが、その変化はどのように受け止めていましたか?

門脇 イリヤのオリジナルエピソードが発表されると、イリヤはこうやって生きてきたんだなとわかることがあって、イリヤの内面に対する感触に変化が生まれることがあるんです。だから今でもイリヤを模索している感じがあります。最新の解釈のイリヤに挑戦しているような気持ちを常に持っていますね。

――「Fate/stay night」3つめのルートである [Heaven’s Feel](以下、[HF])のアニメ化については、どんな思いがありましたか?

門脇 3つのルート全てが映像化されるというのは、前例があまりないと思うんです。[HF]の映像化までたどり着いた、みなさんの「Fate/stay night」に対する熱量の高さに驚きましたし、その中にいられることを幸せに感じました。ただ、第一章が公開されただけなので、私自身がまだ[HF]をとりまく熱量に圧倒されているところがあって、まだもじもじしてしまっています(笑)。

――[HF]のイリヤはどんな一面が描かれていると思いますか。

門脇 [HF]は一個人としてのイリヤや士郎の関係性に特にスポットを当てている印象があります。士郎に対しても姉のような雰囲気で接しているときがあって、新しいイリヤの一面を見るようで、なかなか奥深いです。第二章では間桐臓硯さんとのやり取りもあって、イリヤも魔術師然とした一面を100%に剥きだしています。アインツベルン家代々の連綿と受け継がれてきた思いが当然のように彼女には染み付いているので、内からでてくる言葉にも党首としての重みがありました。

――先日公開された本予告ではイリヤの〈サーヴァント〉バーサーカーのアクション面がフィーチャーされていました。ご感想を教えてください。

門脇 バーサーカーはもはやイリヤの心と身体の一部といってもいいような存在なので、とても期待させてくれる内容で、バーサーカーの強さが感じられる映像に胸が高鳴りました。でも、きっとそれだけじゃないんだろうなって更に期待しているところもあります(笑)。

――第二章で門脇さんが完成した映像を見ることを楽しみにしているところはどこでしょうか?

門脇 第二章でもオリジナルの描写が桜のシーンにあって、そこがどんな映像になるのかすごく楽しみです。

――そして[HF]シリーズよりも早く始まり、5年以上を経て今なお愛されている「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」シリーズ(以下、「プリヤ」)におけるイリヤも気になるところです。

門脇 最初はちっちゃくて無垢でピュアな小学生イリヤのお芝居は、すごく難関だなと感じていたんです。声のトーンも高く高くという指示で、このトーンやテンションを維持したまま、いろいろな変化をつけていくことができるだろうかと不安になったときもあったのですが、いつしか回を重ねるごとにそれが馴染んでいって。いまではすごくやりやすいです。でも「Fate/stay night」のイリヤの出番がほとんどないときに、「プリヤ」をどわーっと収録したので、また「Fate/stay night」のイリヤに戻る時は逆に不安になったりもして……(笑)。

――「Fate/stay night」のイリヤと「プリヤ」のイリヤで大事にしようとしている共通のイメージはありますか?

門脇 ふたりが同じところは……見た目ぐらいかな(笑)。今でこそ「プリヤ」の劇場版や、ゲーム「Fate/Grand Order」があることで、「Fate」シリーズがひとつの宇宙のようであり、その中に何人ものイリヤの魂が重なるように存在している……というようなことがわかってきているんですが、最初のころは「Fate/stay night」のイリヤと「プリヤ」のイリヤは生き方が全然違うので、同じ姿をしていても、別人のような気持ちで演じていました。ただ、親(衛宮切嗣、アイリスフィール)がいっしょなので、たぐいまれなる才能を受け継いでいるところは同じだと思います。

――「プリヤ」のイリヤを演じていてどんなところが一番楽しいですか。

門脇 「プリヤ」はシリアスパートとギャグパートが巧みに切り替わり続ける作品で、そういった切り替えを楽しめるようになってきたころに、いろいろ悩んでいたことが吹っ切れたんです。開き直ったというか(笑)。自分の演技のクセみたいなところを出しちゃっても良いんだなと。そこからは楽しみながらイリヤを演じることができています。

――模索していらしたんですね。

門脇 個人的なことですけど、自分自身の喋りのクセをキャラクターの芝居に出しすぎると、キャラクターが崩れてしまうのではないかと思っているんですよね。たとえば「Fate/stay night」のイリヤは、シリアスな成分が多めですし、あまり私自身を出してはいけないと思っているんです。でも、「プリヤ」のイリヤは私の個性を出し切っても大丈夫というか。もしかしたら、私がひろやま(ひろし)さん(「Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ」原作者)の連載を読んでイリヤのお芝居を考えるように、「プリヤ」のスタッフのみなさんも私のお芝居を見つつも、次のイリヤを創り上げる中で私が演じやすいように考えてくださっているのかもしれないなと思います。

――そうやってキャラクターやお芝居を変化させていくことができるのは、「プリヤ」の連載やアニメ化が同時進行で進められている強みかもしれませんね。「プリヤ」はTVシリーズで4期、劇場版を経て、昨年の続編発表そして今日のイベントでOVAも発表されています。

門脇 続編やOVAが作られることになって嬉しいです。田中さん(「プリズマ☆イリヤ ドライ!!」に登場した謎の少女)の存在もますます気になりますし……。ひろやま先生をはじめ、多くの方々がこの作品をふくらませてくださっているので、まだまだこれからが楽しみです。

――門脇さんとイリヤはもう10年以上のお付き合いになります。門脇さんにとってイリヤはどんな存在ですか。

門脇 私が声優を生業として生きているうえでとても大切な存在です。「Fate/stay night」におけるイリヤは、どちらかというとメインの役どころではないと思うんですけど、そういった垣根なくフィーチャーされるようになり、「プリヤ」では遂に主人公にしていただけました。「Fate」シリーズの重要なキャラクターのひとりとして掘り下げられて、その魅力がどんどん増し続けていっています。本当にスタッフのみなさんやファンのみなさんの絶え間ない愛情がここまで支えてくれたんだと思います。まだまだこれからも[HF]は第二章、第三章とありますし、「プリヤ」の続編そしてOVAもあります。私自身もこれからのイリヤを楽しみにしています。

プロフィール

門脇舞以(かどわき・まい)
東京都出身。フリー。2006年にテレビアニメ「Fate/stay night」にてイリヤスフィール・フォン・アインツベルンを演じる。以来、さまざまなメディアにてイリヤ役を担当。「Fate/Grand Order」ではシトナイ役を演じた。

公式ホームページ http://anime.prisma-illya.jp/
公式ツイッター @prisma_illya

©2016 ひろやまひろし・TYPE-MOON/KADOKAWA/「プリズマ☆イリヤ ドライ!!」製作委員会