『DARLING in the FRANXX』中国動画サイト愛奇芸版は修正後、配信再開へ。

2018年2月3日、中国インターネット検索最大手・百度(バイドゥ)傘下の動画サイト愛奇芸は、公式に配信中だったTVアニメ『DARLING in the FRANXX』の配信を突如停止した。主な理由は、作中に登場する一部の場面が視聴者に不適切だったとして、ユーザーが国に通報したことが原因だ。

しかし、2/13-14頃に配信が再開されたということが分かり独自に調査したところ、以下のような修正がされていた。

本記事は、動画共有サイトbilibiliの個人ブログにて検証された内容を、中国のアニメ・ゲーム企画制作会社「北京動卡動優文化傳媒有限公司」(MYC)の協力により、現地情報を確認できたので紹介する。※ ニコニコ動画との比較で丁寧に調査して頂きました。ここにお礼申し上げます。

同ブログによると、『DARLING in the FRANXX』の現在配信済みの第1話〜第6話までの内容から、以下の時間数分が本編から削除された事が記されている。

第1話 約1分35秒分
第2話 約43秒分
第3話 約8秒分
第4話 約18秒分
第5話 カット無し

上記修正された部分は、主にキャラクターがシャワーを浴びる場面、着替えをする場面、そしてフランクスと呼ばれるロボットの操縦場面であることから、やはりキャラクターの肌の露出や男女が対になってフランクスを操縦するシーンが問題となり、修正されたことが分かった。1話などは1分半以上も削除されている。これだけでも相当な修正だが、同ブログでは以下のように追記されている。

カットされたシーンからは、審査基準がまだ厳格でないことが伺える。もし基準に沿って削除したならば、まだ作中にこんなに不適切なシーンは残っているはずがない。iQiyi(愛奇芸)はもっと会員と向き合うべきだ。そうすれば先は明るい。

このような難しい中国のアニメ配信事情に関し、MYC海外事業部長の峰岸宏行氏は現状について以下のように語った。

2011年の同時放送から中国アニメファンも日本のアニメを正規ルートで楽しめるようになったが、それにより今までは「違法ダウンロード」という中国の表現規制に対する「カバー」が働いていたが、今や表に出ることによって、様々な国の規制や民間の文化差による目にさらされてるようになった。中国側には中国の国情というのがあるので、なんとも言えないが、日本側がもし今後中国、およびその他海外への配信権販売を考えるのであれば、様々な文化の洗礼を受けなければならないことを覚悟しなければならないのではないだろうか。

レポーター紹介!

2010年に設立されたアニメ・ゲーム専門の広告代理店の北京動卡動優文化傳媒有限公司有限会社(北京MYC)。中国のアニメ市場の消費力データを有し、アニメ・コミック・ゲーム(ACG)の分野で、中国市場を狙う企画から販売促進まで一連のサービスをワンストップで提供。2016年に日本支社(株)MYC Japanも設立。